癒しのレイキ りぽ~と 71号

ヒーリング「風船の部屋」(兵庫県芦屋市)発行のメールマガジン「癒しのレイキ りぽ~と」です。

(掲載内容は発行時点のものです、連絡先などは最新号などをご参照ください)



 癒しのレイキ りぽ~と 
          Vol.71(第71号 特別号) マガジンID:0000021627
          発行日:2002.10.06(月2回 新月・満月 発行)
          発行部数:517部


★今回は特別号として、「彼女の看護学生物語」をお送りします。


  発行責任者:ヒーリング「風船の部屋」 太田 (ハンドル名:風船)
  次回発行:2002年10月21日予定(満月)

  このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』さんを
   利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
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● レイキ関係等の催し
  ◆名古屋ヒューマン&トラスト研究所 交流会

  【日時】第46回 10月10日(木)午後2.30~5.30
      第47回 11月16日(土)午後2.30~5.30
  【参加費】
      名古屋ヒューマン&トラスト研究所修了者・・2000円
      その他の方・・・・・・・・・・・・・・・・3000円
  【予約制】
  【場所】名古屋ヒューマン&トラスト研究所
      (地図は下記ホームページをご覧下さい。)
  【申込先】名古屋ヒューマン&トラスト研究所


  ◆ヒーリング「風船の部屋」主催 「特別 レイキ交流会」のお知らせ
      【10月は、恒例の「京都・鞍馬山へ行こう」です】

  【日時】2002年10月26日(土) 
  【場所】京都市 鞍馬山
  【申し込み・問合せ先】
    詳細は、10月10日(木)以降、下記ホームページに掲載します。
    ヒーリング「風船の部屋」 太田
       

● 今回は特別号を発行します。

  今号は、「掟破りの、ルール無視」で発行してしまいます。
  (そのため、先頭にあるこのメルマガのタイトルさえも変更したり、
   いつもの形式も無視しています。)

  今回の「彼女の看護学生物語」は、機会があって真珠さんから寄稿して
  いただきました。
  (正しくは、私(風船)が真珠さんに、無理やり寄稿してもらったと
   いうべきかも・笑)

  「彼女の看護学生物語」の奥深さを理解するのは難しいかもしれません。
   (真珠さんには内緒ですが、私にも理解できてないかも?・笑)
  
  このメルマガを読んでいただいているのが、500名ちょっとです。
  その500名の中で、お一人でもいいから、この寄稿文から何か
  「心に響くもの」があればいい、との思いで特別号を組みました。

  そのお一人に向けて、この特別号を発行いたします。

  もし、「心の響く」ことがお有りの方は、たとえ1、2行のコメント
  でもいいので、メールもしくは、風船のホームページに書き込みして
  いただければ、無理に寄稿していただいた真珠さんへの、風船の感謝を
  表すことにもなりそうです。
  (なお、ホームページへの書き込みの際には、メールアドレスなどを
   書かなくてもOKですので。)


★★ 「彼女の看護学生物語」 ★★   【真珠さん】

 彼女は遠くを見ながら、こう話し出したの…・。

  先日、ある勉強会に行ったの、そこでね キュブラー・ロス博士の「死ぬ
  瞬間」の話がでたの。この本は私にとって、とても思いで深い本なのよ。

  私がその本を読んだのは看護学生の時だった。

  うふふ…・。思い出しちゃった。
  もう、20年も前の話、私が看護婦の国家試験に合格した時のことなんだ
  けどね、それを教務主任に報告に行ったの、そしたらね なんて言われた
  と思う?
  「まあ、○○さん、あなたが受かるなんて思わなかったわ!!」
  ですって、失礼しちゃうわよね。

  実際、国家試験前の模擬試験の成績が悪すぎたのは知っていたの。でも、
  まさか母親を学校に呼んでまで、私にお説教させるとは思わなかったわ。
  もう、びっくり仰天よ。
  だって、私の学校は母の住んでいるところから、新幹線で2時間、その後
  電車を1時間、バスを30分乗らないとこれない場所にあったのよ。
  あの時のことは、いまだにちくちく言われるの。「店の仕事があって、お
  父さん手伝わないといけないっていうのに、あんたっていう子は…。」っ
  てね…・。
  その後、かなり必死で勉強させていただきました。おかげさまで、看護婦
  の免許を取ることができたの。
  ふふふ 親ってやっぱりありがたいわね。

  あらあら、話がそれちゃった。

  私ね、看護学生の時、「あなたの考えは危険だ。」って看護学校の先生に
  言われたことがあるの。

  内科の実習でね、とてもかわいいおじいさんを受け持ったのね。そのおじ
  いさんは癌の末期だったの。
  そのおじいさんは、ご飯が食べられなくて、点滴をしていたの。でもね、
  もう血管ももろくて、なかなか点滴入らないから、何回も針を刺さなくて
  はいけないし、せっかくはいったと思っても、ちょっと動くと、すぐに点
  滴が漏れちゃって…・。手はぱんぱんに腫れちゃうし、だから長い時間ベ
  ッドでじっとしていなくてはいけなかったの。でもね、点滴するとどうし
  てもトイレが近くなってしまってね。トイレに行って来ると漏れていたり、
  あちこち刺されていたから、針を抜いたところを、手で押さえきれなくて、
  パジャマが血だらけになっていたり・・・・。
  ある日、何度も、点滴がもれて、何度も看護婦さんがさしかえてくれたの。
  私見ていられなくなってしまってね、その人の担当の医師のところに行っ
  たの。そして、頼んでみたの。「後、300ml点滴が残っているのです
  が、今日はもう漏れてばかりいて、大変なので先生が刺してみていただけ
  ませんか?」って。
  その医師はこう言ったの
  「いやぁ、あれは気休めだから、やめていいよ。」って……・笑いながら
  言ったの…・・。
  ………え?点滴ってそんなに簡単にやめていいものなの?・?・?…。

  実習が終わると、実習生と看護学校の先生も交えての反省会があるのね。
  その時、私なんだかこみ上げるものがあったの、そして泣きながら言っち
  ゃったのよ「気休めなら、点滴なんてしなければいい。」って…。
  そしたらね、言われちゃったのよ、先生に…。
  「あなたの考え方は危険だ。」って……。

  しばらくしてね、「死ぬ瞬間」に出会ったの。もう、内容は覚えてないの、
  ただ、すごくホッとしたっていうか、もしかしたら私はそんなに間違って
  いなかったのかも…・。て思ったことだけ覚えてるの。

  私は先生に言われたことで、とても苦しかったんだと思うの。
  それは、多分、先生の、「あなたの考えは危険だ。」という言葉のレッテ
  ルを、自分で自分に張り付けてしまったせいなのだと思うの…。

  それからずっと「私は危険なんだ。」ってどこかで思って生きていたのだ
  と思うの。

  それから10年位して、ある本を読んだの。
  その本にはね、ホスピスに入院してきた末期の胃ガン患者さんの話が載っ
  ていたの。
  食べられないことを話した患者さんに、医師は「何なら、食べられますか
  ?」って聞いたの。
  その人はね、恥ずかしそうに小さな声で言ったんですって「ビールの小瓶
  とアイスクリーム。」って、そしたらね、その人のお膳には、ビールの小
  瓶とアイスクリームがついでたんですって…・。
  ね、素敵だと思わない?
  「ああ 私もこういうことがしたかったんだ」ってはじめてわかったの。
  うれしかったなぁ…。

  伝え方は間違っちゃったけど、こういうことが言いたかったんだなぁって
  わかってね。
  どれだけホッとしたか…・。

  あの頃の私にはね、わからなかったのよ。
  私は、その時、何を感じて、それをどう伝えたらいいのかが…・。

  今だったら?…そうね、こう言うかな?
  「私は、患者さんの姿を見ていて、とてもつらかったです。そして、先生
  が笑いながら点滴をやめて良いって言うのを聞いてわけがわからないけど、
  怒りを感じました。」…ね。

  こう言えるようになるまで、あれから20年もかかっちゃった。ふふふ…
  困ったもんだ。
  私ね、覚えるまでが大変なの、脳みそのつくりが人と違っているんじゃな
  いかな?なんて悩んじゃう。
  だからね、教える人はとっても大変なの。忍耐と根気を要求されちゃうか
  らね。
  でもね、いいこともあるのよ。一度覚えるとね、なかなか忘れないの、そ
  して、覚えたことが得意になるみたいなのよ。

  あらあら、美容師さんが言っていたことを思い出しちゃったわ、
  「あなたの髪はパーマがかかりにくいけど、一度かかるとなかなかとれな
  いのねぇって…。」

 彼女は、今はまっすぐにしたその髪をゆらしながら、大きな目をくりくりま
 わして、不思議そうにそう言った。

                                <完>