「永遠の0」を読んで

先週、ネットで「永遠の0」という小説の書き込みを見て、
なぜか読みたくなりました。

作家:百田直樹さんのデビュー作で、「0」とは太平洋戦争時の日本の
海軍の戦闘機である零戦のことです。

小説の概要は、時代は現代で、「優秀な零戦パイロットだが、臆病者」
だと思われていた実の祖父がいることを知った孫が、戦時中の祖父の
ことを知っている人を訪ねて、祖父のことを調べていくというものです。

「(生まれた)娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るため」と
臆病と思われても、必死で生きようとしていた人が、昭和20年の
終戦の少し前に特攻で亡くなったという設定です。


四角の記号 小説の感想は、まだ書けないです

文庫本にして570ページほどの小説ですが、2日間で読み終えました。
最初から短期間で読もとしたわけではないのですが、どんどん読み
進めたいという気持ちで読み終えたというのが本当です。

で、今はまだこの小説についての感想を書くことができません。
気軽に文章にできないぐらい多くのを感じたこと、
感じたことを文章にしても、文章にした端から感じたものとは
どんどん食い違ってくるような気がするということ、
そして、1番は、まだ私の中で消化しきれていないためです。


四角の記号 少しだけ書けることは

・ 太平洋戦争の進行状況が、断片的なものでしかなった私の知識が、
  ずいぶんと敗戦への経緯として繋がってきました。


・ 私の亡くなった母は、戦争の時の話をするのを嫌いでした。
  私が子どもの頃は、その母の気持ちが理解できませんでした。

  今でも、ちゃんと理解できているかどうかは不明ですが、
  それでもなんとなく母の気持ちの一部が理解できるような気がします。
  (少しは理解できるような、年齢になってきたように思います。)


・50歳代後半になってこの小説に出会えたことはよかったと思います。

  もう少し早かったり、遅かったりしたら、今回とは別の印象を
  いただいていたように思います。
  私には、ピッタリの時期に読めたのだと思います。

  (10年おきぐらいに読み返すと、その時点時点での印象が異なる
   作品かもしれません。)


・ そういえば、昭和30年台後半に、大阪の梅田に行くと地下鉄の
  回数券をバラ売りしているおばさんが、何人かいました。

  (たぶん10枚綴りの回数券10枚を売って、1枚分の収入を得て
   いたんですね)

  他にも、梅田には白い傷病衣を着て音楽を鳴らしながら物乞いの
  ようなことをしている人もいました。

  (たしか、その後、強制的に排除されたような・・・)


この小説、来年に映画化されるようです。
 主演:岡田准一さん、三浦春馬さん、井上真央さん

文庫本のオビには、故 児玉清さんの解説の文章が載っています。
「僕は号泣するのを懸命に歯を喰いしばってこらえた。が、ダメだった」

オビではないですが、
「清々しい感動で魂を浄化してくれる稀有な作家・・」
とも書いておられます。


(たしかに、そんな感想を持つ小説の1つだと思います。
 もし、まだなら8月15日の終戦記念日にちなんで読んで
 みるのもいいと思います。
 人によっては、哀しすぎるかも・・。)